
赤坂一丁目、溜池山王駅から徒歩3分の場所で、地上19階・地下2階の高層複合オフィスビルが2027年9月に竣工します。三会堂ビル。事務室階は4階から18階、1フロア393.21坪の無柱空間です。
貸主は一般財団法人農林水産奨励会と鹿島建設。設計・施工とも鹿島建設です。天井高2,800mm、床荷重500kg/㎡(ヘビーデューティー1,000kg/㎡)、ZEB Ready 取得と、仕様が細かく公表されています。この記事では、その数値を項目ごとに読み解きます。
建物の概要
- 所在地:東京都港区赤坂一丁目901番2(地番)
- 竣工:2027年9月(予定)
- 規模:地上19階・地下2階
- 構造:S造(柱CFT造)、SRC造、RC造
- 敷地面積:3,280.71㎡
- 延床面積:34,816.32㎡
- 貸主:一般財団法人農林水産奨励会/鹿島建設 開発事業本部
- 設計・施工:鹿島建設
- 駐車場:69台(うち機械式64台・ハイルーフ車対応あり)
- 最寄駅:溜池山王駅 徒歩3分
事務室階の仕様
1フロア393坪の無柱空間
- 事務室階:4階〜18階
- 事務室 総貸床面積:19,498.50㎡(5,898.29坪)
- 事務室階 貸床面積:1,299.90㎡(393.21坪)
- 分割対応:4分割
1フロア約390坪が無柱です。柱がないぶん机の配置に制約が生じにくく、部門の増減に応じたレイアウト変更がしやすくなります。公表されているスタンダードプランでは、効率よくデスクを配置して220席を確保しながら、窓面にオープンなミーティングスペースを取る構成が示されています。
4分割に対応するため、1社でワンフロアを使い切らない規模でもまとまった面積を確保できます。
天井高2,800mm・床荷重500kg/㎡
- 天井高:2,800mm
- OAフロア:100mm(耐荷重300kg/㎡)
- 床荷重:標準500kg/㎡、ヘビーデューティーゾーン1,000kg/㎡
- 天井方式:640mm×640mm グリッドシステム天井
- 照明:LED(自動調光機能付き)、基準照度500lx
- コンセント容量:50VA/㎡(60VA/㎡まで増強可)
- 空調:個別空調(加湿機能付き)
東京都内のオフィスの天井高は平均2,600mm前後、新しいビルで2,700mmが標準とされます。2,800mmはその上をいく水準です。
床荷重は一般的なオフィスビルで300〜400kg/㎡。移動書庫やサーバーを置くには500kg/㎡が目安とされ、この建物はそれを標準で満たします。さらにヘビーデューティーゾーンは1,000kg/㎡で、書庫の集中配置や重量機器の設置を床の補強工事なしで計画できます。
グリッドシステム天井は、640mm角のモジュールで天井を構成する方式です。照明や空調の吹き出し口をグリッド単位で移設できるため、レイアウト変更のたびに天井を壊す必要がありません。入居後に組織が変わる前提の企業では、この差が改装費に効いてきます。
コンセント容量は50VA/㎡が標準で、60VA/㎡まで増強できます。1人あたりの機器が増えた現在のオフィスでは、電気容量の不足がレイアウトの制約になることがあります。
2階・3階のコンファレンス
2階と3階に、約400㎡のホールと約50㎡から140㎡の7つの会議室からなるコンファレンス施設が併設されます。大規模な会議やイベント、記者発表や株主総会といった用途に対応する構成です。
自社で大会議室を持つと、使用頻度に対して専有面積の負担が重くなります。共用施設が館内にあれば必要なときだけ使え、専有部を執務に集中させられます。
環境性能:ZEB Ready を取得
設計時点で「ZEB Ready」認証を取得しています。一次エネルギー消費量を基準値から50%以上削減した建物に与えられる認証です。
環境性能を移転先の選定条件に置く企業が増えています。ZEB Ready は「ZEB」に至る段階のひとつで、設備の効率化と外皮性能によって消費エネルギーを半減させた水準を指します。
4駅5路線という立地
- 東京メトロ「溜池山王」駅(9番出入口)徒歩3分
- 東京メトロ「虎ノ門」駅(3番出入口)徒歩6分
- 東京メトロ「虎ノ門ヒルズ」駅(A2番出入口)徒歩7分
- 東京メトロ「国会議事堂前」駅(3番出入口)徒歩7分
溜池山王は銀座線と南北線、国会議事堂前は丸ノ内線と千代田線、虎ノ門は銀座線、虎ノ門ヒルズは日比谷線。4駅で5路線が使えます。溜池山王と国会議事堂前は改札内でつながっており、実質的に1つの大きな乗換駅として機能します。
中央官庁と大企業の本社が集まる区域で、霞が関へは徒歩圏です。官公庁との折衝が多い業種、業界団体との接点を持つ企業にとって、この立地は移動時間そのものを削ります。
周辺の歩行者デッキは2028年度以降
注意しておきたい点があります。周辺道路と敷地外の歩行者デッキは「虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業」で整備されるもので、工事完了は2028年度以降の予定です。ビルの竣工から1年以上、周辺の歩行者環境は工事中の状態が続きます。
逆に言えば、2028年度以降には歩行者デッキで周辺街区とつながり、地上を歩かずに移動できる範囲が広がります。なお、公表されている外構完成予想CGの一部は、隣接する赤坂インターシティAIRの敷地内の外構を描いたものです。
赤坂・虎ノ門エリアでの位置づけ
赤坂・虎ノ門一帯は、国際的なビジネス交流拠点の形成を目標に開発が進められてきました。虎ノ門ヒルズの各棟、東京ワールドゲート、赤坂インターシティAIRなど、2010年代後半以降に竣工した大型ビルが集積しています。
それらの多くは基準階500坪から1,000坪超で、その規模を必要としない企業には選択肢が限られていました。基準階393坪という中間の規模は、本社機能を都心に置きたいが1,000坪は要らない、という層に合います。事務室の総貸床面積5,898坪なので、複数フロアを使う大型テナントにも対応できます。
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